定年間近の夫婦の遣る瀬無い会話

今年59歳になる会社員のお話です。

彼の子供達は元気に独立して生活していますが、まだ未婚です。
と言うことは、お孫さんはいないということですね。

「お孫さんを期待してるでしょう?」

「いやあ~別に、そんな意識はないね……当分出来そうもないし」

彼の奥さんは元気にパートの仕事を続けています。
彼より数歳以上若いはずです。

「奥さんとよく車で旅行に出かけますよね。奥さん、旅行が好きなんですね」

「運転する方も好きみたいだねぇ。それでこっちは助かってるんだが…」

「そりゃあ、イイですね。運転を一人でするとなると、結構大変ですものね」

「まあ~ね。よく、旅行にゆこうと言い出すけど…何処に行きたい?と訊くと、
貴方が良さそうなところを調べてよ、とのたまうんだ(笑)」

「ヘェー、うちとは逆なんだあ~。
うちは、女房が全部仕切っちゃうから、こっちは彼女の計画通りに動かされるっていう感じだね(笑)」

「それはそれでイイんじゃないの。
計画を全部一人で立てるとなると、面倒臭くなってしまうよ…
料理していたら食欲が失せるようにね」

と言いつつも、けっこう仲良さそうな感じです。
その夫婦が二人で話し合ったそうです。

「もう将来的な楽しみもないし、長生きはしたくないね。
60歳代でもういい感じかな…」

「わたしもそう……年取ってから特別な目的も無く、ダラダラ生きてもね」

なんか、ゾッとしました。
そんな話を夫婦二人でするなんて、
あってはならないことを聞いてしまったような、そんな感じです。

彼自身が個人でそう思って、仲間内で話しているぶんには、
冗談まじりと聞こえるのですが…夫婦ですとねぇ~…
あまりにも現実味を帯びてしまうというか…

「そんな話は奥さんとするもんじゃないですよ!
娘さん三人が両親を頼りにする時期が必ず来るんですから」

「そうかなあ……」

「そうですよ。孫が出来る時に両親がいないと娘は大変らしいですよ」

「そんなこと言われても、いつ出来るかも分からない状況だからねぇ」

「そのうち出来ますよ」

などとイイ加減なノリで別れました。
心理的な解決策なんて、ありきたりの事しか思い付きませんし……

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